永徳斎三つ折れ人形の修理

修理前

既にアクリル絵の具で修理されていたために色がまだらで、口紅もひどい色で塗られていました。

また、特に顔をはじめ全身細かいひびが入っており、片足もありませんでした。
まずはアクリル絵の具を剥がしてから、ひびを修理していきました。

修理中

ボディのひび割れの原因は虫食い。虫食いの跡は桐塑で埋めて補強していく。

顔のひび割れは極度の乾燥によるもの。もとの桐塑の原型自体が風化しているため,一度桐塑をはがし、さらに胡粉のつきをよくするため一回り小さく削っているところ。

各パーツの補強を終え地塗り、磨きが完成したところ。

修理後

本来あるべき永徳斎の象牙のような色合いの肌色になりました。
【感想】

ひびの原因が1体の人形の中で乾燥による割れ、虫食いによる割れと様々で、今までの修理の中で一番大変でした。
結局全てのパーツの胡粉を剥がしたため、顔などは、永徳斎の同じタイプの昔人形を隣において参考にし、1年半の修理となりました。


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